適切なキャッシュ・債券の保有率に関して (4) 今、保有するべきキャッシュの割合を考える



前回に続いて現在の適切なキャッシュ・債券のポートフォリオ内の比率を考えていきます。まずは、今の米国市場と金利を整理してみますね。


現在、S&P 500の平均PERは24.7のため、期待利回りは4%です。そして現在のFFレートは1.25%です。


つまり現在の市況では、株式の利回り 4%>債券の利回り 1.25%と、株式の利回りの優位は明らかです。


この状態でFRBは緩和的なスタンスを保ちつつ、ゆっくり利上げを行うとのスタンスをとっていますから、中期的に更に株価が過熱する可能性が高いと考えますし、米国の減税などの要素が加わればバブル化していく可能性もあります。


さて、現況は株式の利回りが相対的に高いわけですから、資産内の株式の配分は、十分に大きく取った方がよいと考えられます。先日同様に、バークシャーのポートフォリオを見てみます。


※ブログ 節約発投資行きより


リーマン・ショック後の低金利下では、バフェットはキャッシュ+債券のポジションを15-20%弱としています。


低金利下ではリスク資産の割合を可能な限り最大化すべきですから(低金利環境では他に資産を振り向ける無リスクの投資先がありません)、感覚として、80%程度をリスク資産に振り分けるのは理に適っています。


更に、無リスク資産の中でも、金利がつく債券を10%弱は常に保有し、流動性を保ちつつ、資産の最大化に努めていることが見て取れます。また、バークシャーの場合は、保険事業や各種の子会社の運営のため、常に一定の現預金を必要としますので、最低10%程度はキャッシュを保有しなければならないのでしょう。


私も、この株式80%/債券10%/キャッシュ10%のポートフォリオ比率で投資を行っています。そして市場平均PER、金利によりその比率を適宜、調節しています。


常に資産の20%の流動性を持つことにより、調節局面で希望価格まで下落した株式を十分購入することが出来ますし、より魅力的な銘柄が出現した場合(良くあります)に選択肢が得られます。また十分な流動性により心理的にも安定が得られる効果も重要と考えます。そして、資産の10%程度はキャッシュを保有しておかなければ、税金の支払いなどに不都合が生じるという事情もあります。


また、債券は米国短期債ETF(SHV)で保有しています。米国中期債は利上げ局面では、含み損を被ることが明らかですので、中短期の保有には適しません。米国短期債は短期間の年限を保有しきれば、元本+利回りの支払いは確定していますので(それ故に債券はFixed incomeと呼ばれます)、利上げ局面でも保有には比較的適すると考えます。ETFで保有する場合も、金利の変動による価格への影響はリーマンショック直後の急激な金利変動時を除いては、低いレベルで抑えられています。


※米国短期債ETF(SHV)のチャート、MSNマネーより

なお、私が米国短期債を債券として購入しないのは、ネット証券の取り扱いがないことと、個人では購入に当たっての手続き・手数料が割に合わない煩雑さであるためです。


現在の低金利環境では、債券は主役にはならないと思いますが、歴史的には常に株価に影響を与えてきた名脇役とでもいうべき存在でした。短期での保有であれば確実な利回りを与えてくれますし、金利が高い局面では大きな利益を得られる存在ですので、今後も活用しつつ投資を行っていきます。


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