投資銘柄の分散に関して 集中投資の是非を問う






私のポートフォリオは一時期、資産の65% 1500万円ほどがアメリカン・エキスプレスでした。2016年の上半期は同銘柄は一過性の理由で半額程度まで売りを浴びたため、集中投資を行っていたのですが、ファイナンシャルプランナーに相談したら、「こいつ何をやっているんだ」と絶句されそうな内容ですね。


一方、通常は投資は出来るだけ分散させた方が良いという考えが中心です。投資銀行などで資産運用の相談をすると、一つの籠に卵を盛るな、と忠告されたことはないでしょうか。


ポートフォリオには、(1)保有資産の安全資産(キャッシュ及び国債など)/リスク資産の割合、そして(2)リスク資産内の個別銘柄・ETFなどの配分の2つがありますが、今回は(2)を考察していきたいと思います。





いくつの株を持つべきか


さて、ポートフォリオのリスク資産をいくつに分散させるのが、最も高い利益率につながるのでしょうか。私はS&P 500の利回り(10.85%/年の平均利回り)を上回り、かつ同じ位の利益率が見込める銘柄が多数存在する場合は、ポートフォリオ内の銘柄を20、30、40銘柄と増やしていくのが良いだろうと思います。


しかし、この考えには問題点が2つあります。(1)よほどの弱気相場で無ければ、最低予想利回りが10%を超える銘柄が多数出現する局面はないこと。(2)個人の能力で把握できる銘柄が恐らくはせいぜい20程度であろうことです。


(1)は、現在私がウォッチしている銘柄では、最低予測利回りが10%を超える銘柄は数えるほどです。S&P 500の銘柄は出来るだけ周期的に目を通すようにしておりますが、現在の市況のように高騰した市場ではバリュー投資に適した投資先はどうしても限られてしまいます。せいぜい3-4銘柄しか投資先が見つけられないのであれば、数学的に利益が出ると思われる順に投資資金を振り分けるのが、もっとも理に適うと考えます。


集中投資では、企業の不正会計などの不祥事により業績が長期に渡って低迷するリスクが生じますが、もともと十分に確保している安全域はそこでも重要なプロテクターとなります。


(2)は、年次報告書及び四半期報告書、その銘柄に関する各種資料を経時的に読み続けるとなると、私の場合はせいぜい15銘柄が限界となります。語学に堪能な方でしたら、更に多くの銘柄をウォッチできるであろうと思いますが、それでも物理的な制限が存在します。


多すぎず少なすぎず


従って、10以下の銘柄に集中投資を行うこと、そして数学的に利回りが高く、寡占による安全性がより高いと思われる銘柄から順に資本を配分することが最も理に適うと考えています。そして市況と銘柄の安全性によっては2-4銘柄での集中投資も私は是としております。


若き日のウォーレン・バフェットはGEICOを含む3銘柄に資産を集中投資していました。この考え方には私も賛同します。


もちろん、投資に適する銘柄が他にも多数見つかり、ポートフォリオが分散されるものになることが私の希望です。しかし、高騰を続ける現在の市場では、恐らく更に投資先は限定されるようになるでしょう。その場合は、その時の金利にもよりますが、市場平均に連動したETFないし米国債が資金の主な振り向け先になっていくのだろうと思います。



関連記事です。


アメリカン・エキスプレス(AXP)の投資判断


私がかつて資産の65%を集中投資していた、そして現在でも主力の銘柄になります。バフェットのコア銘柄としても同銘柄は有名ですね。同銘柄への集中投資の根拠を考察しています。


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