投資資本の最大化を目指して(最終回) 家計管理の専門家に思うコト




家計の断捨離を進めて、投資資金を最大化する、本ケチケチシリーズもいよいよ最終回です。実は最終回はあまりケチな話ではありません(笑)。


家計管理、また人生設計を考えたときに、多くの人が意見を求めるであろう、ファイナンシャル・プランナーや投資銀行など専門家の助言について私が注意すべきと思うことをお伝えします。


専門家が主催する、「理想の家計診断」「リタイアを考えると必要な貯蓄と家計を考えるセミナー」などの、人生設計にかかる記事を読んだことのある方は多いのではないでしょうか。


記事を読むと、家計簿や投資のポートフォリオに関する助言はそれぞれ頂けるのですが、インフレ率に関するコメントはあまり聞きません。


例えば、老後に備えて3000万円を現金で貯蓄したとします。インフレ率が2%/年で進行すれば、実質的な価値は1年後2940万円 → 2年後2881万円 → 3年後2824万円 → ・・・ → 10年後2451万円と指数関数的に失われていくことになります。4%であれば3000万円→ 10年後1994万円になる計算です。


デフレは深刻な経済の問題ですが、高度のインフレは更に恐るべき速度で資産を蚕食するものです。



経済史はデフレとインフレの繰り返しです。長期的にはインフレの期間が長かったのが経済ですから、デフレが長期間続く日本の現状は、経済史では珍しい期間と言えます。


特に高齢化が進行し、医療保険制度を維持するために財政赤字を積み上げる現状では、その帳消しのため、突然の強いインフレが生じる可能性は無視できません。


ファイナンシャル・プランというものは生涯の計画を考えるものですから、考えられる最大限のインフレ率を考慮したうえで、専門家として十分に安全域を持った計画を提案しないのでは、助言としては不足がいなめないと思います。


恐らく、(1)インフレ率の計算まで含めるとコメントが難解になってしまうこと、(2)バブル崩壊以降、長く続くデフレにより専門家自体もインフレの経験がないこと、が原因ではないかと私は推測しています。


参加するセミナーなどで、試しにインフレ率が5%に上昇したらどうしますか?ハイパーインフレ時のヘッジはどうですか?と聞いても残念ながらあまり有意義な返答がないのです。


私の一貫した方針として、(1)ドル建て資産によるリスクヘッジ、(2)インフレ率を上回る利益が見込まれる資産の保有(私の場合は米国株と米国債)が良いと思っておりますが、ここは個々人で考え方は分かれる部分と思います。いずれにせよ、将来の日本円のインフレへの備えは必須だと考えます。


専門家の方の意見は、参考にはするとしても、自身が決めた道を歩く覚悟も重要だと思います。


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