適切なキャッシュ・債券の保有率に関して (2) 株式のライバル、米国債を考える



株式の利回りは、株式最大のライバルである債券との比較が常になされます。


米国債は特に金利が3 → 4 → 5%と上昇してくるとやがて株式の強力なライバルになります。今は低金利でドラゴンボールのヤムチャよろしく忘れさられていますが、金利が上昇するとベジータなみの強さで復活してきます。この概念は重要です。


多くの投資家にとって、株式投資によって得られる利益は、株式投資によるリスクと見合ったものでなければなりません。年限まで保有しきれば利回りが確定しており、概ね無リスク資産と考えられる国債よりも、株式はそのリスクに応じたプレミアムが乗らなければ投資対象とはし難いでしょう。




理論的に、株式利回り≧債券の利回り+α、でなければ投資対象とはならないということになります。


そして、米国株式の場合、米国債と常に比較されることとなり、その利回りを規定する要因は政策金利であるFFレートとなります。


  ※海外投資データバンクより


長期的にS&P500指数は、FFレートの上昇に伴い調節を繰り返していることが見て取れます。まず株価の上昇が続くに従い、その人気を表す市場平均の平均PERは、次第と高値をとることとなります。しかしその過熱を抑えるべく、FRBは政策金利を上げ、過熱した市況を抑えにかかります。それに伴い米国債の金利は上昇し、結果、株式のリスクプレミアムを上回り調節局面を迎えることになると考えます。


※S&P 500 平均PERの推移、PERは景気後退時には異常高値をとるため注意を要します


PERの逆数(1/PER)は株式の期待利回りと表現されます。PERはその株式から得られる何年先の利益まで先取りしているか、という指標です。そのため、PERの逆数は現在の利益の水準からみて、将来の期待利回りと近似するという考え方です。


ITバブル時には、株式期待利回り3%<FFレート6.5%となり、リーマンショック時には株式期待利回り4%<FFレート5.25%となっています。即ち、バブルでは、株式期待利回り<米国債の利回りが明らかであるということです。


金利のみで、バブル崩壊が規定されるわけでは有りませんが、この金利と景気循環の関連は非常に重要であると考えます。そして、私は金利と株式の平均PERに応じた資産配分を考慮すべきと考えます。


次回は、その配分に関して更に検討していきたいと考えます。




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