原因として、多くのメディアでアマゾンのホールフーズ買収による投資家の業績懸念が挙げられていますが、果たしてそうでしょうか。
ハーシー(HSY)やモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)、ゼネラル・ミルズ(GIS)、ケロッグ(K)、ホーメルフーズ(HRL)といった食品株はその強固な経営基盤により、着実な成長を遂げてきました。
ケロッグ(K) PER 31.15
ハーシー(HSY) PER 33.56
モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ) PER 38.17
ゼネラル・ミルズ(GIS) PER 20.45
ホーメルフーズ(HRL) PER 20.75
各銘柄のPERを見ていきますと、好業績を背景に食品バブルといっても良いくらいに、銘柄によっては株価が高騰しています。
株価下落の原因として、まず、(1)食品株全体のファンダメンタルと乖離した株価の高騰が基礎にあり、その調節局面を迎えたというのが私の見方です。
そして、(2)ミレニアル世代を中心とした食生活の変化による業績の下振れ、(3)ウォルマートを始めとした大手ストアのプライベートブランドとの競合、そして(4)アマゾンやディスカウントストアとの価格競争により、食品小売り店が閉店と統合を繰り返し、在庫が過剰となる業界事情も背景にあると考えます。
8月13日付のWall Street Journal(英語版)では、米国の食料小売店店舗は25380と、2015年から6%減少しており、これは2021年には19000店にまで減少する見込みであるとのことです。
特に、大手ディスカウントストアのシェアが次第と増加することにより、小規模な家族経営の小売り業者への圧力が強いとの内容でした。
さて、それでは悪材料が揃った食品株は危険なのでしょうか。誰もゼネラルミルズのハーゲンダッツを食べなくなり、ハーシーのチョコレートバーも子供たちは食べなくなってしまうのでしょうか。
ITバブル崩壊の際など、バブル崩壊時には、関連するセクター全体がファンダメンタルズからかけ離れた価格まで、恐怖で大きく売られる傾向にあります。ITバブルの際、マイクロソフトはPER 50倍とバブル特有の高値を付けた後に、PER 20倍まで売却されました。更にその後の2011年にはEPSの順調な伸びとは反比例するように、PER 10倍以下の安値を付けています。これは今から見れば、明らかな買い場です。
今後、更に誰もが食品株の先行きを恐れて近づかない状況となれば、食品株のバーゲンが出現しうると考えております。
私の買いのポイントとしましては、(1)まずは安いこと(PERはせいぜい20倍)、(2)難局面の中、ファンダメンタルズが順調に成長していくこと、(3)それによって予測利回り10%のブランド力による安全域が確保できること、(4)配当が高ければなお良い、と考えます。
私の主力銘柄の一つはホーメルフーズ(HRL)ですが、この銘柄の保有理由も後日お伝え致します。
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