ナイキ(NKE)の投資判断 (2) 待つことの重要性





前回に続き、ナイキの企業価値に関して考察していきます。


私は投資に当たり、メアリー・バフェットの方法を用いて10年後の予測株価を求める手法を取ります。


本銘柄は過去10年のEPS成長率が13.1%でした。現在の成長率が続くとすれば、(EPS成長率)^10を現在のEPS 2.51に乗じ、10年後のEPSは8.63となります。これに過去10年の最低水準PER13.56を掛けると、10年後の予測株価は117.0となります。


またメアリー・バフェットは予想株価の計算方法として、ROEとBPSを用いた方法も使用します。過去10年間のROEから、企業資本の将来に渡る蓄積を計算し、10年後のBPS予測から予測株価を計算する方法です。詳細な計算法はブログでお伝えすると煩雑なため省略しますが、興味のある方は彼の著書を参照いただければと思います。こちらの方法では、10年後の予想株価114.0となります。


悪い方の予測株価を採用しますと、算出される最低予測利回りは年7.9%です。同社の過去10年の平均配当率は年1.3%程ですので、リターンは年9%強となります。


現在、同銘柄はPER 21.9倍と市場平均PER 24.2倍と比べ低いレベルで保たれています。私は購入の目安をその時点の金利にもよりますが、現時点ではPER 20倍以下としております(債券の魅力が相対的に増す高金利下ではPER15倍以下を購入対象と考えます)。現在の金利下で、同銘柄の株価がまだ下落し続けるようならば購入を検討します。


株価が伸び悩み始め、私が同銘柄をウォッチし始めてから2年程が経過しましたが、増収増益を続ける業績とは裏腹に、市場は同銘柄のことを忘れたかのように株価はここ数年横ばいが続いています。


ベンジャミン・グレアムは往時のグロース株に対し、「これらの銘柄はいくつかは投資の対象になるかも知れない。いつか皆がこの銘柄のことを忘れ、十分に株価が下落した後であれば」と言いました。


その原則は時を経た現代も不変だと思います。私はアルファベットやスターバックスなどのグロース銘柄も投資対象から除外していません。これらグロース銘柄のブランド力、成長性は素晴らしく正に米国を代表する銘柄です。価格の下落を待ち、10年以内に機会があれば是非とも投資したいと思っています。


ナイキでは2年待って、ようやく手の届くところまで価格が下落してきました。待つこと、これがバリュー投資では重要なことと実感します。


スポンサーリンク



スポンサーリンク


0 件のコメント :