グレアム投資の候補を探せ 聞いたことがない名前の銘柄って投資して大丈夫ですか?




なかなか最近はネットネット株が市場に出てきませんでしたので、現状、私はバフェットの投資手法を主に行っています。ですが嬉しいことに、最近のAmazonによる小売り業界への業績懸念で、小売り銘柄の一部ではようやくネットネット株が散見されるようになってきました。


しかし、これらの銘柄の多くは中小型株で、恐らく日本人ではほとんど名前も聞いたことが無い銘柄ばかりです。


バリュー投資家の中には、こういった安く売られた米国株を調べてみても、「多くの安値の銘柄は日本人の自分には馴染みのない銘柄ばかりで分からない、米国人でないとこれらの企業には投資出来ないだろう」とあきらめてしまう方も多いのではないでしょうか。


今回は、知らない米国株式に投資して良いのか、私の考えを特にグレアム投資の視点からお伝えします。


バフェットの投資手法はB to Cかつ強いブランド力を持った企業に投資するのが前提ですので、比較的に有名企業が多くなります。


一方、グレアムの投資手法では、まずPBR 0.66以下の銘柄で市場のスクリーニングを行うことになります。ですが、試しに米国株で行うとスクリーナーの画面はほとんどが聞いたことの無い低位株で埋め尽くされることになります。


さて、今度は日本株でも同じようにスクリーニングを行ってみますと、聞いたことがある銘柄も時にはありますが、やはり殆どは聞いたこともない企業が並びます。


これはネットネット株は市況全体が低調な局面を除いては、殆どが中小企業から成り、その中でも小企業は市場が過熱する終盤の局面でようやく本質的な価値まで株価が標準回帰する性質があるためです。現在の好調な市況においては、聞いたこともないような小企業が多く低位株として取り残されるのは自然な現象です


こういった低位株は、日本株であっても我々日本人からは馴染み深い銘柄ではありません。米国人から見ても、アナリストが見向きもせず、評価もしないような米国ネットネット株はあまり馴染み深いものではないでしょう


バフェットの投資方法では、(1)B to Cかつ強いブランド力・寡占力を持った企業が、(2)将来に渡りブランド力を維持することを前提として、(3)一過性の売りがあった際に買い付けを行うものです。こういったブランド力を有する企業の多くは世界的なグローバル企業ですので、良く知る安心のブランドに投資出来ることとなります。


しかしネットネット株は、純粋な資産価値と、現在の価格の差を投資根拠とします。小型の企業ほど本質的価値より乖離した安値を付けていることが多いですので、多くの場合に中小企業がその投資対象となります。


良く見知った企業に投資するばかりではありませんので、(1)企業の年次報告書を読み込むこと、(2)厳密かつ十分以上に悲観的な簿価の評価、(3)分散投資を行うことが投資の絶対条件です。


ベンジャミン・グレアムは企業自体に興味を示さず決算報告書ばかり見ていた、とチャーリー・マンガーは評しました。そのスタンスの裏には、(1)中小企業や時に見知らぬB to B企業も彼の投資対象となっていたこと、(2)それらの企業への投資において業務やサービス内容よりも簿価が圧倒的に重視される投資スタイルであったことがその一因でしょう。


翻って考えますと、我々日本人投資家は米国企業においては門外漢です。ですが、その条件は米国人も同様と思います。寧ろ、ネットネット株で重視されるのは年次報告書の徹底した読解、それによる十分な悲観的評価での清算価値の算出と、それを下回る価格での株式購入、更に分散投資による数学的な損失見込みの低減ではないかと思います


機械的な低PBR銘柄への投資が、高い利回りを生むのは統計学的に報告されています。私は、あまり聞かない名前の銘柄であっても、十分なリサーチの上で、その安全域と分散投資の条件が保てるのであれば、是非購入を検討していきたいと思っています。


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