投資資本の最大化を目指して(7)  バリュー投資家によるポイントオタクのススメ





私、お金が好きです。


厳密に言うとお金を使うことにはあまり興味がありませんが、お金が貯まっていくのを見るのが好きなのです。


ですので、株式投資を考えていくのは好きで仕方がありませんが、それとは別に小銭を貯めるのも大好きです。


株式投資に比べるとささやかな額しか稼げないだろう、ともしかすると思われているかもしれないポイントサービスを今回は考えていきます。


なお、「投資資本の最大化を目指して」のシリーズは前回で最終回予定だったのですが、意外と大きな反響をいただきましたので、しばらく継続してお伝えしていきますね。


生活費を削り落とす強い味方、ポイント


生活費を削り落とすことで投資資本を最大化し、その資本を用いて複利による長期投資で最大のリターンを得るのが当サイトの基本的な考え方です。


そのため私は生活費の削減において、ポイントサービスにもこだわっています。


ポイントサービスには、共通ポイント(Tポイント・楽天スーパーポイント・Ponta)、マイレージ、各クレジットカードのポイントサービスetc. と多種多様なものがあります。


それぞれ使用した金額の0.5-1.5%程度をポイント還元することで、消費者のお得感に訴えかけ、サービスの再利用を促す戦略となっています。そして本邦においては、そのサービスの維持のために各企業がコストを価格に上乗せしていることから、ポイントサービスを使用せず還元を受けないという選択は、実質的に余計なコストをサービスの対価として支払うことになっています


ポイントサービスは、食費・光熱費・水道費などの生活費の多くの項目、場合によっては住居費にも及び、その支払総額の0.5-1.5%程度が還元されるという事実からして、使用する額が大きくなるほど資産運用における効果が大きくなります


これらから、ポイントサービスを使用しないという選択は私には有りません。


バリュー投資から見るポイントサービス


ポイントサービスを順番に紹介するだけでは、他の多くのサイトと同じであまり面白みが無いように思いますので、当サイトではバリュー投資から見たポイントサービスの選び方を考えていきましょう。


ポイントサービスを考えるにあたっては、最も大きな金額を扱うことになるメインのクレジットカードの選択が重要です。そしてそのサービス選択に当たっては、(1) 長期間持続して利用可能と思われる親企業のファンダメンタルズが強固なサービスが望ましく、(2) 高い還元率があればなお良いと思われます


(1) の理由は、例えば生活費全般をクレジットカード決済とした場合、多くの方は年間数十万円から百万円以上の額を使用することでしょう。その場合、年間に貯まるポイントは1%還元であっても10000円相当以上になることが予想されます。


ポイント残高が大きくなると、その全額を一時に使い切ることが難しくなってきます(なお私は年間に各種ポイントで15万円ほど還元をうけていますので、この点は重要です)。またマイレージなどでは海外旅行分を貯めるのに数年かかることも多いです。そのため中期から長期に及び、ポイントサービスの存続が見込めるファンダメンタルズの強固さが無ければ、私は投資対象とはしません。


またポイントサービスは一般的に換金性 = 流動性が低いものが多く(特に小規模なポイントサービスは換金性が低いものが多いです)、その出口戦略は重要です


具体的にはクレジット会社のプロパーカード(アメリカン・エキスプレスやJCBカード)、或いはカード発行企業の母体企業が本業から十分な収益をあげておりポイントシステムの維持が今後も可能だと思われる企業、ないしポイントシステムが本業にとって必要不可欠な企業を考えます


例えば楽天スーパーポイントや航空系カードなどを私は選好します。なお航空系カードでは現状JALがANAよりもファンダメンタルズ面で優位にあるため、JALを個人的には考えます。


財務基盤を確認したうえで、その中から (2) 還元率が高いポイントを選択していくこととなります。


2014年-2016年頃に、クレジットカード業界はポイント還元率の競争が起こり、1.75-2.0%還元という高還元率カードが多数出現しました。しかしいずれもその高還元率を持続することが出来ず、制度の「改悪」の憂き目を見ています。そして現在は0.5-1.5%程が業界の標準となっています


2%を超える還元率は、一般に無リスク資産の還元率として、現在の国債の金利水準から見ても維持するのは困難と思われますし、それを超えてもなお十分な利益を生み続ける企業母体があれば話は別ですが、デフレ下の日本ではそのような企業は稀です


従って1.5%くらいの還元率が企業の利益水準を脅かさず、持続可能な制度という意味で適度な水準なのでしょう。


複利という強味


さて、参考までに私が使用しているポイントサービスはJALマイレージ(JALカード)です。


食費・水道・電気・ガス・交通費・住居費の大半をこのカードで支払い、かつ税金はサブカードを用いてnanaco支払いを行います。


こういった試みによって年間10万マイル相当のポイントが還元されており、ここから交通費を削減するようにしています。


仮にポイントサービスにより、クレジット使用額を年1.5%還元したとすれば、投資にあたっての元本は1.5%分増加することとなります。これを毎年繰り返すことで、複利効果によって10年で16.1%、20年で34.7%、30年で56.3%分のリターンが得られます


年間100万円をクレジットカード払いしたとすれば、無リスク下に30年間で56万円ほどの資産増加が見込める計算です。


ケチ道のポイント


ということで、お手軽、かつ無リスクと思われるポイントサービスによる投資も是非ご検討頂ければと思います。


最後に一つ追加です。


あまりにもポイントに拘りすぎると、わずかなポイント獲得のために調査する時間や商品を選ぶ時間などを割きすぎてしまい、逆に非効率的になっている人もときどき見かけます。


メインのクレジットカードや税金支払いなど金額が大きくなるものだけにポイントのこだわりは絞り、少額のポイント獲得はある程度無視することも重要だと思います。


それでは、皆様、楽しいポイントライフを!


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