いつか必ず来る暴落に備えて 暴落時の市場防衛システム






米国経済は堅調そのもので、連日の最高値更新に沸いています。


北朝鮮リスクや中国の不良債権など、つい先日まで真剣に語られていた様々なリスクはどこにいってしまったのかという好調ぶりです。


さて、今回は火事や雷と同じく、忘れたころにやってくる暴落時の株式市場システムに関して考察していこうと思います。


苦い思い出


1987年10月19日、ブラックマンデー、この日は投資家にとって特別な日です。


当時を知るシニア投資家から話を伺う機会がありました。


「あらゆる銘柄がストップ安となり値が付かない状態だった、世界がこのまま滅ぶと思い、茫然と歩きまわっていると気づけば真夜中だったのを鮮明に覚えている。」


リーマンショックといい、こういった修羅場は一回経験してみると、相場の見方がそれまでとは全く別のものになるように思います。


同日、NYダウは22.6%の暴落を来し、この下落率の記録は過去最高で未だ破られてはいません。


最近では2年前のチャイナ・ショックはまだ記憶に新しいですが、中国の不良債権問題が根本的には改善されずに先送りされ続けている以上、その際にみられたフラッシュ・クラッシュのように、高速アルゴリズム取引によって瞬時の暴落を来す可能性は常にあると思います。


市場の防御システム


1987年の市場急落を受け、更にその後も繰り返された数々の暴落相場を経て、米証券取引委員会は全銘柄においてサーキットブレーカーを導入し改良してきました。


現状のシステムは下記になります。


(1) S&P 総合500種が7%減少した場合、市場は15分間取引停止

(2) 再開後に、13%減少した場合は再び取引停止。

(3) 下落率が20%に達した場合、その日の取引は終了。


また、米国個別株では、日本株にあるようなストップ高・ストップ安を決める値幅制限が基本的に存在しません。このため個別株式においては、暴落相場で強い価格変動をまともに受ける可能性があります。


現在はコンピューターによるアルゴリズム取引が多くを占めています。そのため下げ相場では反射的な売りが殺到し、特にもともと流動性の低い銘柄で流動性が完全に枯渇し、売買不能となるケースが見られますので、ここは念頭に置いておく必要があります




備えあれば


2010年5月のフラッシュ・クラッシュでは数分間にダウ平均が9%に及ぶ1000ドルの下落を来しました。


バリュー投資家としては、暴落の瞬間を楽しみに待っているのですが、上記のような急激な変化を目の前にするとつい浮足立ってしまうのがやはり本音ですね。


低金利から徐々に離脱していく現在の市場環境に対して、個人的には、そろそろ金融株を中心としたあまりにも少ない銘柄に集中したポートフォリオから(というか65%がアメリカン・エキスプレスというのも相当に尖った選択でしたが)、本四半期は少しずつ防御的なセクターにも資産を移し、金利に合わせて米国債にも少しづつ資産をシフトし始めたところです。


また、同時に下げ相場で購入する予定の銘柄の検討など、心の準備も怠らないようにしておこうと思います。


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