日本株の投資判断 ネットネット市場の日本




このブログに来られる方の多くは米国株投資家ではないかと思います。


高齢化による経済の低迷が容易に予想される日本に投資する気は起きない、という方が多いのではないでしょうか。


日本株の低ROE、株主への利益還元姿勢の欠如(配当・自社株買いを行わない傾向にあること)、またバブル崩壊後の長期低迷の悪い記憶が合わさって、日本株には先が無い!と悲観されている方も多いのではないかと思います。


今回は日本株は投資対象として不向きなのか、検証してみようと思います。



全世界 PER19.3  PBR2.2
先進国 PER20.0  PBR2.3
エマージング国 PER14.6  PBR1.6
日本 PER14.6 PBR1.6


PER/PBRを見ますと、エマージング国と同程度まで、将来、国力が落ち込むだろうという投資家の悲観が垣間見える数字となっていますね。


さて、バリュー投資家の私としては、今の日本株を見ていますと、ある状況を思い起こします。


米国は、1929年に生じた大恐慌と、その後の金融政策の失敗が重なったためデフレーションに至り、その高値を回復するのに25年ほどの年月を必要としました。ベンジャミン・グレアムと若き日のウォーレン・バフェットがネットネット株を買いあさったのは、その期間です。デフレ環境下で企業がキャッシュを大量に保有する一方で、投資家が見切りをつけたため安値でも誰も見向きもしない、ネットネット株が大量に出現していました。日本のバブル崩壊後も同じように、デフレーションの離脱に長期間苦しんでいます。


私は、現状の日本市場には長期に渡ってブランド価値を成長させ続ける銘柄はほぼ無いと思います。しかし、バフェットが言う「シケモク拾い」にはデフレ下の日本は有望と思います。米国では小売り銘柄の一部を除いて絶滅したネットネット銘柄ですが、日本ではまだそれなりの数が見られています。


主観を排した、低PER/低PBRへの機械的投資が長期的に見れば成功を生むと、米国だけでなく世界的にも、統計学的に後ろ向き研究で証明されています。


私は(1)ネットネット株の原則に則った十分に安い、(2)分散した投資、(3)且つ資産の10-20%程度までであれば日本株投資は可と考え、投資機会を探しています。といいますのも、日本円の価値自体が金融政策の破綻で、20-30年などの半永久的な損失を受けた場合には、ネットネット株とは言え、無傷ではいられない可能性がある故、資産比率をこのように考えます。


かぶ1000さんという個人投資家がいらっしゃいます。日本株にネットネット投資を厳密に行い、長期に渡って資産を減じず、計3億円以上の利益を挙げられています。このような方を見、そしてバリュー投資の原則を考えるにつけ、日本株も見限ったものではないと思うのです。


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