金融セクター連動ETFの投資判断(2) 金融セクターETF間の選択






前回のこのシリーズでは、(1)利上げ局面に当たり金融セクターは業績改善が見込まれること、そして、(2)同セクター全体が割安なものとして放置されているため投資妙味があるだろうこと、しかし、(3)金融株の個別投資ではその決算報告書が難解であるため困難を伴うだろうこと、それ故、金融セクターに連動したETFを私が選好していることをお伝えしました。


今回は、金融セクターにおけるETF同士の比較を行っていきたいと思います。




2つのETFの違い


米国の金融セクターに連動するETFは、バンガード・米国金融セクターETF (VFH) と、金融セレクト・セクター SPDRファンド (XLF) の二つがあります。


それぞれの特徴を下記にお示しします。


VFH:
「MSCI USインベスタブル指数 金融 25/50」という指数に連動。
・同指数は411の組入銘柄で構成され、上位5社で組入銘柄の33%。
・比較的に分散投資。
・純資産67億ドル
・経費率0.10%
・ベンチマーク乖離率 0.01%


XLF:
S&P 金融セレクト・セクター指数に連動。
・同指数は69の組入銘柄で構成され、上位5社で組入銘柄の40%。
・比較的に集中投資。
・純資産289億ドル
・経費率0.14%
・ベンチマーク乖離率 0.01%


これを見ると、わずかな経費率の違いを除くと、VFHとXLFの違いは、それを構成する指数の違いと言えますね。


大きく分散するVFHと、比較的に集中投資を行うXLFの選択ということになります。


※Yahoo financeより引用。


過去のリターンを見てみると、リーマンショックを挟んだ13年間の比較では、VFH 38.4% vs. XLF 17.25%と、VFHが大きくリードしています


ETFを購入する元来の意味である分散がしっかりと成されていること、また過去のリターン、経費率の違いを総じて考えると、私は個人的にVFHを推します


米国株の今後


高値相場となり、目ぼしい割安銘柄が枯渇しつつある米国市場では、今後バリュー投資家のリターンは市場平均に近似する、ないしアンダーパフォームする可能性が高まってくるものと思います。


かつてウォーレン・バフェットでさえも、リーマン・ショックやITバブル前の高値相場では市場平均をアンダーパフォームしたのは記憶に新しいところです。


リーマンショック後に比べ、大分選択肢が狭まってきたように思える市場ではありますが、個別株の破綻リスクを避けつつ、割安セクター全体に投資を行うことが出来る、こういったETFも活用しつつ私は投資を行っていきたいと思います。


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