トランプの精神医学分析(1) 疾患特性からその言動の根本を追う





北朝鮮と米国が熱く燃えています。


トランプが国連演説で北朝鮮を完全破壊すると表明したことを受け、9月23日の北朝鮮 外相の国連演説では、「米国本土をミサイル攻撃するのが避けられなくなった」と口論合戦が過熱しています。


原文で演説を読みましたが、国連演説という格調高い場所でヒドい悪口の応酬もあったものです。放っておけば北朝鮮問題は自然消滅すると思われるのに、それをしないところがトランプらしいですね。


北朝鮮関連のニュースは動きが無ければ、前回で終了するつもりだったのですが、その動きがまた面白くなって参りました。とは言え、ニュースなどでこの問題は連日取り上げられていますので、私は少し視点を変えて、医学的見地から当問題を考察していきます。







サイコパス疑いというトランプの特性



さて、北朝鮮問題は以前からお伝えしていますように、実際の紛争に陥っても、ソウルで莫大な被害を被る米韓日連合、体制崩壊に至るリスクがある北朝鮮、難民による経済損失を被る中国ともに誰も得をしないため、真のリスクはほぼないと私は見ています。


ただし、一つだけ気がかりなのは算盤勘定通りに動かない可能性があるプレイヤーがいること、即ちトランプの存在と、その感情的な暴発による紛争の可能性です。


20172月米国の35人の精神科医が連名で、トランプはサイコパス = 反社会性人格障害との判断をニューヨーク・タイムズに投稿しています。


では、反社会性人格障害とは何でしょうか。診断基準(APA基準)の概要を見てみましょう。


・法律にかなって規範に従うことができない
・自己の利益のために人を騙す
・衝動的で計画性がない
・喧嘩や暴力を伴う易刺激性
・自分や他人の安全を考えることができない
・責任感がない
・良心の呵責がない


人間誰しも、多少は他人とウマが合わないことはあるでしょう。しかしそれが本人の意図によって継続的に起こり、その反社会性が極めて高い場合は、病的な人格の障害と判断されるのです


大統領就任前後からのトランプの発言を見てみると、上記の診断基準に概ね一致すると、私も思います。


本来的には本人を前に診察を経なければ精神科的な診断は下せないのですが、あまりに顕著な精神症状の疑いと危険性を前に、トランプの反発も顧みず(トランプの訴訟好きは以前から有名です)行動に移した米国精神科医たちからは、その使命感の高さを感じます。その後もオンライン上の署名活動はなお広がり、サイト、「ダイアグノシス トランプ」では2017 4月時点で36000人の精神医療の専門家が上記診断に関して署名しているそうです。



衝突を繰り返すトラック


さて、当疾患の問題は、その特性により他者との衝突・虚言が制御不能であることです。


通常ならば損得の算盤が働いてストップをかける、身の回りのいろいろな出来事に対しても、本人の感情が爆発し反社会的な行動を生み続けるのです。


私の臨床経験では、この疾患の患者ではDVやケンカなど周囲への暴力と、虚言や窃盗による他人からの搾取を繰り返し、そのことを指摘されても、「人生は不平等なものだ」「負ける方が悪い」などの表現を取り、周囲を顧みない方が多いです。


また、言動が達者で専門用語や特殊な用語を用いて自分を誇示するため、表面的には非常に魅力的に見え、カリスマ的要素を備える人もいます。


こういったことを考えますと、北朝鮮問題は今後もトランプが大統領でありつづける限り、再燃しつづける可能性が高いと思いますし、それがトランプがトランプである所以とも言えるでしょう


こういったトランプの特性を考えますと、北朝鮮問題で、唯一真の問題になりうるのはトランプからの感情に任せた先制攻撃です。というのは、吠え続けるトランプとは異なり、他のプレイヤー(北朝鮮及び日韓中ロ)は誰も紛争は望んでいないためです。色々な修飾語を使っているものの、各国の本音は「体制維持がしたいだけなんだから、放っておけよな。迷惑なことだね」というところでしょう  


確実な体制崩壊に至る、北朝鮮サイドからの実際の武力行使はまずない、あったとしてもトランプの言動や軍事力行使に反応したものでしょう。また、行われたとしても限定的な一部地域への砲撃などに限ると私は見ます(延坪島砲撃のような事例を考えます)。確実な体制崩壊に至る核攻撃というのは北朝鮮サイドからは使えないカードですし、通常兵器の使用も同国にとって、更なる経済制裁と引き換えの「やせ我慢」、あまり使いたくはないカードなのですからね。


日本国民としては、他の問題が生じトランプの興味が他のことに逸れること、特にロシアゲートや国内の議会活動に逸れることを願います。


またバリュー投資家としては、相場にボラティリティを提供する当問題は、折に触れて市場の上値を適度に抑え、買い場を提供するのではないかと考えます。

スポンサーリンク



スポンサーリンク


0 件のコメント :