生涯賃金は全て円というリスク




あまり他人には資産内訳を話しませんが、米国株へ多額の資金を投資していることを知った人は、「投資は余剰資金でやるものだよ」、「殆どをドルというのは極端ではないか」と言います。年配の親戚からはなんだか怒られて説教されてしまうこともあります。


何だか悪いことをしているかのような米国株投資ですが、(1)投資は余剰資金で行うべきか、(2)外貨で資産の多くを保有するのは極端なのか、今回はこれらに関して私見をお伝えしたいと思います。


(1)に関しては、私は投資では初心の段階を除いて、理論的には市況に応じ、最大限の資金を投じた方が良いと考えます。米国優良株の投資は基本的に年10%前後のリターンを、複利で数十年かけて運用するものです。その効果を適切な運用で最大化するためには、最初の投資資本を出来るだけ多くとる必要がある故です。


多くの方にとって投資を考えるのは社会人になってからでしょう。投資は必ず損失を伴うものですので、若いうちの初心の段階で投資資本の殆どを失ってしまっては、心理的にその後の投資を再開することが出来なくなる恐れがあります。最初は自分が損失に耐えられる程度の少額投資に留め、こういったトラウマによる、機会喪失リスクを避けるのも良い考えだと思います。


但し私は、高校生から大学生頃といった、生活が親に保障されている時期に余剰資金(お小遣い)を使って投資を行っておいた方が良いと思います。現代社会で生きるのには、自宅購入や貯金などといった投資の考え方を避けては通れませんので、早めに投資の酸いも甘いも学んで然るべきだと思うのです。


といいますのも、多くの日本人にとって、初めての金融商品が土地付き自宅で、数千万円の35年ローン、つまり高リバレッジ付きの金融商品という現状に危機感を覚えるからです。


さて、(2)の外貨で資産の多くを保有するのは極端ではないのか、に関してです。


私は、我々、日本人労働者の潜在的な価値は全て円であると考えます。例えば年収500万円の方でしたら、30年勤めたとして生涯賃金は1億5000万円です。ドルで給与をもらうことは出来ません。20年後に日本が高インフレに陥っていた場合は、その時の500万円では現在の250万円分の水準の生活しか出来ない状況になっている可能性もありますが、円で給与をもらう生活からは逃れることは出来ません。


つまり、現役世代の方にとっては、現在の資産を全て外貨にしたとしても、残りの生涯賃金は全て円ですので、相応の資産の分散が出来ていると考えます。


日本の敗戦前に、全財産を金で保有した人は周囲から見て変わり者扱いでした。しかし、敗戦後、財産を保全出来たのは日本円の価値を正しく判断出来ていた人だけでした。


日本円が今後価値を毀損するかどうか、私は断言出来ませんが、生涯資産を円で保有している日本人労働者としては、リスクヘッジのために、現状の資産くらいは外貨で持っておくのは、一つの戦略だろうと考えています。


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