2019年6月四半期報告 投資資本4695万円 本四半期の年初来リターンは+14.0%でした!



今回は当ブログの四半期報告です。


2019年7月2日付の、ドル建て投資資本は433573ドル(4695万1620円)でした(※注1・2)。


2016年2月のブログ開始から見ますと、累積投資元本が340696ドルですので、単純に現金で保有していた場合と比較し、株式投資による純利益は + 92877ドル(+ 1005万7650円)になります。




以下は当ブログの長期成績となります。



※ポートフォリオからキャッシュポジションを除し、株式部分のみとして計算しなおした、S&P 500指数とのドル建て・税引き後・配当込みでの幾何平均リターン比較になります。



キャッシュポジションを除して株式部分のみで見た場合、当ブログの年初来リターンは +14.0%、SPY + 19.4%です。


よって当ブログの株式ポートフォリオの年初来利回りは、S&P 500指数を -5.4%アンダーしています。


なお2019年年初からの株式による純利益は + 47261ドル(+ 511万7894円)、また投資元本の増加を含め、投資資本は年初来 + 80497ドル(+ 871万7020円)増加しています。



・・・



またキャッシュポジションを含めた当ブログのポートフォリオ全体で見ると、年初来リターン + 12.2%です。


仮に私と同じタイミング・ポートフォリオ内比率で、SPY(S&P 500指数連動ETF)を購入したとすると、ポートフォリオ全体の年次リターンは + 17.2%です。


従ってポートフォリオ全体では、S&P 500指数を年初来 - 5.0%アンダーパフォームしています。




※注1:
以降の記載は全て7月2日付の為替レートでドル建て換算したものです。

※注2:
年末に確定している、FCAUの配当にかかる外国税額控除での税控除予定額を加えて算出しています。




株式ポートフォリオと取引内容





上図は私のポートフォリオ構成です。そして本四半期の主要取引は以下となります(取引単価、数量)。



CAIインターナショナル
購入:単価23.8ドル(321株)
購入:単価22.9ドル(323株)

フィアット・クライスラー
購入:単価15.4ドル(345株)
購入:単価14.8ドル(320株)
購入:単価13.1ドル(525株)

タイガースポリマー
購入:単価599円(1200株)
購入:単価577円(700株)
購入:単価576円(1000株)

モリ工業
購入:単価1825円(1000株)
購入:単価1869円(400株)
購入:単価1892円(900株)

東日本旅客鉄道
購入:単価9944円(500株)
売却:単価10365円(100株)→銘柄交換:モリ工業へ

東部ネットワーク
購入:単価1000円(200株)
売却:単価1005円(1100株)→銘柄交換:東日本旅客鉄道へ

新潟放送
売却:単価1094円(4600株)→銘柄交換:東日本旅客鉄道へ

オリックス
購入:単価1566円(800株)
購入:単価1580円(600株)
売却:単価1561円(800株)→銘柄交換:モリ工業へ
売却:単価1553円(300株)→銘柄交換:モリ工業へ

パーカーコーポレーション
購入:485円(2400株)

ビオフェルミン製薬
購入:単価2300円(600株)
売却:単価2280円(600株)



取引に当たって


本四半期では前四半期に続き、主力としているCAIインターナショナル、フィアット・クライスラーの価格低迷が投資リターンに影を投げかけています。


ただ前四半期報告でお伝えしました様に、こういった景気循環銘柄は米市場平均の立ち上がりに比べ、過去20年ほどでは価格の立ち上がりが6-12か月ほど遅れる傾向にあります。


よって想定した範囲で株価は推移しているものと思いますし、各銘柄のファンダメンタルズも赤字など価値の毀損を生じる事態には至っておらず、それも併せ株価が底を保っている点において、想定よりも現状は良好に推移していると判断しています。


また本四半期では、ネットネット株(日本株)を用いたサイド銘柄の売買で市場平均の劣後への軽減を図っています。


元来グレアム式投資は高回転(高い売買頻度)がその特徴ですが、特に今のようなレンジ相場では市場の伸縮に応じ、銘柄間で価格と本質価値のギャップが時間差を持ち生じることから、その差額に応じて銘柄の売買を繰り返しています。


このサイド銘柄だけを仮に取り出した場合、米市場平均を2-3%ほど上回る成績をポートフォリオのこの部分では挙げています。


しかしネットネット株自体の成因を考えるに、市場不安を最も強く受ける企業故の今の価格ですから、その本格的な値戻りは市場の改善に遅れることが殆どであり(日本小型株は先と同様、米市場平均に6-12か月は劣後する傾向にあります)、次四半期の成績も引き続き市場をアンダーする可能性が高いだろうと考えています。



個人資産


以下は私の個人資産になります。




生活資金などを別にしていますので、上図(※注3)ではその点加味すると個人資産は4875万6483円となっています。またその他資産が200万円ほど有りますので、現在の私の資産は5075万円ほどということになります。



※注3:家計に用いているマネーフォワードでは、マネックス証券の株価が反映されるのに数日の誤差があるため、現在の資産額とは数日の誤差が生じています。



四半期を振り返って


昨年末の下落から米国市場は徐々に値を切り上げ、僅かずつながらも上値を追う展開となっています。


そして投資の初心者の方は特に、今の市場の価格上昇にある種の恐れを持って居られる方も多いのではないでしょうか。


またトランプが何か発言すれば状況が悪くなるのでは? 有名なアナリストが言っている様に、周りの誰かが言っている様にこのままリセッションになるのでは? 何か予期出来ない悪いことが起こるのでは?


そう思ってはおられませんか?


市場の恐怖と歪み


長い目で見れば、どんなことが起きそうか予測を立てやすいものさ。警戒心と欲は人気投票の行方を大きく左右するが、秤の目盛りを左右することは出来ないからね。


ウォーレン・バフェット


7月2日現在、ダウ平均の実績PER 18.27倍、S&P 500の実績PER 22.25倍となっており、これは概ね5%程度の年利回り(PERの逆数)に当たります。


これは以前のシリーズでお伝えしましたように現在の2.25-2.5%という短期金利、また2.0%程の10年債金利との比較から見ると、現在の金利はまずまず緩和的に思えますね。


また株式と国債の利回りの差、つまり株式リスクプレミアムから見ると、これは過去200年間で平均3-3.5%ほどでしたから、現在の金利下において徐々に成長を続ける米企業を背景とした株式の価格は、概ね数値上フェアバリューと考えて良いかと思っています。




また各個別米企業で言いますと、ハイテク分野やヘルスケアなどの一部セクターでは過剰な価格を付け、且つ企業自体の財務も赤字且つ高レバレッジ(流動性の供給過剰)となった企業は所により散見されるものの、全体としてバブルと呼ぶ水準には至っていないように思えます。


一方オールドセクター(ブリックアンドモルタル・貿易・資源関連など)では割安のままに置かれている企業も多く、個別企業としては企業毎に値段の高低のムラが形成され、全体として見るとフェアバリューという歪みを生じた状態かと思っています。


更に米国以外の、欧・中・日・その他新興国でも国毎の価格の強弱のムラは強く、貿易摩擦による各国のファンダメンタルズへの影響、また市場心理により下げた株価そのものが実体経済に影響を及ぼすプロセスを経て、世界全体で歪んだ市場価格が随所で形成されているものかと思うのです。




そしてこの価格傾向の元に、多くの市場参加者が米国市場をある種「ディフェンシブ」と見なし、おっかなびっくりながらもトレンドに乗った取引を続けていると、これが今の市況なのでしょう。



成長の変曲点


では、これらの歪みは永遠に続くものなのでしょうか。


今回の景気サイクルにおいてはハイテク株の長期上昇相場が、特にFANGと呼ばれる数銘柄を中心に、プラットフォームとしての社会的な、そして成長を続ける財務的なファンダメンタルズの元で形成され市場を牽引してきました。


未だ好調なこれら銘柄ですが、片や大きく成長したこれらの企業に対する規制や、ライバル企業の対抗策が現れ始めているのもまた事実かと思います。



・・・



フォーチュン500に掲載された企業の平均寿命は合併・買収・倒産などにより、15年ほどと言われています。


これはその企業の持つ堀がどの程度持続性を持つかにも寄ると思うのですが、一般に企業が大きくなるほどに、企業の大きさ自体がその成長性を阻害するものですし、新規に生じた産業(ストリーミング、インターネット広告、eコマース、SNSなど)であってもいずれは従来の企業と同じく、その成長の変曲点を迎えるのだろうと思うのです。


すばらしい夢


モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、かなえられてしまうことなんだよ。


ミヒャエル・エンデ モモより


ウォルマートという企業を見てみましょう。


同社は1962年に業界の革命児、サム・ウォルトンが個人商店として創業した小売店です。ディスカウントストアの先駆けとして、全米に1972年にNYSEへ上場、1970-80年代に大きく店舗数を広げ、90年には全米最大の小売店となり、90年代には全世界に店舗網を拡大させました。


誰もが知る夢のサクセスストーリーにより、その株価も大きく躍進を遂げたわけですが、途中経過はどうだったのでしょう?




ここでは1999年の景気の天井、そして企業自体の成長に上限が見え始めるまでは株価が大きく値を上げたものの、その後は過度な期待により押し上げられたバリュエーションの是正が生じ、長期低迷を来したことが分かります。


そしてPERで言うと99年には同株は60倍を付け、同年にもし投資を行ったとすると10年間以上は、リターンが0だったことになります。



標準回帰


市場は全般にこのように価格のムラを定期的に修正する、標準回帰の性質を持ちます。


水は高きから低きに流れるものかと思いますし、この中で割高な資産を長期的に保有することは、時間が経つ程にその期待値はマイナスの幅を増し、割安な資産ではその逆の意味を持つのでしょう。


特にハイテク株の中でも利益を生まず、将来の業績に対する期待のみから高値を付けている銘柄や、そして他にも生み出す利益から見てあまりに割高な資産、これは株式以外にもビットコインや債券などでは、破壊的な変動を生じる可能性が経時的に増すのだろうと思うのです。



最後に



つねづね私は思います。


本当に今は米国市場が最も安全で、その他の市場は危険なのでしょうか? 貿易摩擦に左右される国の資産は「今回は」買うべきではないのでしょうか? そして市場は今、皆が思う程に行き詰ったサイクルの最後半なのでしょうか?


逆にこう思う方は少ないのでしょうか。


悲観的なシナリオが現実になる可能性はあるが、価格にかなりの部分で織り込み済みなのは明らかだ。よってそのシナリオが実現しなければ、今の落ち込んだ価格からして大きな利益が得られるだろう、と。


悲観的なシナリオには抗し難い力があるのかも知れませんが、利益を挙げる可能性をより多く秘めているのは、信じる人が殆どいない楽観的なシナリオかと思うのです。



・・・



私は投資をする際に、景気の先行きをあまり予想しないようにもしています。


それは景気の先行きや社会情勢に関しては、資本に関わる需給状況ほどに多くを知ることは出来ないと思うからですし、人気の無い領域で投資を行う方針を取れば、非常に大きな強みが得られるからです。


特に今私が投資を行っている重厚長大型産業(海運・鉄鋼)の特性は、産業につきものの長いリードタイム(生産設備拡大から販売に至る時間の長さ)、そして供給が柔軟性を欠き需要に上手く対応できないという構造を持ちます。


そして前回のコモデティバブルから10年を経て生産設備の縮小が続く現在、需要が一旦増加した場合の利益が得られる可能性は、日々強まっているものと思えます。


また逆に、誰もがお金をつぎ込む分野に身を投じること、それはハワード・マークスが言ったように、概ね「災厄をもたらす方程式」になるのだろうと思うのです。




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